プログラミング未経験者がフリーランスエンジニアになるまで 〜手本にしないでください〜

西山はるか
プログラミング未経験の私がエンジニアを目指し、いきなり開発現場で働けてしまいました!

現在、空前絶後のプログラミングブームです!

専門職であり、高収入であり、難易度もそこまで高くない!

これらの要素を含んだ最高の職業なのではないかと噂され、プログラマー転職をする方がドンドコ増えています!

私もその噂に踊らされた一人で、最初は「よーし一気に習得して年収1000万だ!!」なんて言っていましたが・・・現在進行形で苦労オブ苦労の真っ只中。

エンジニアになる難易度は決して低くないです・・・激ムズ!

まず仕事を見つけることが激ムズです。

プログラミングをいくら勉強しても、未経験者を雇ってくれる会社は全然ありません。

そして仕事に就けたとしても、仕事自体の難易度も激ムズです!!

半年間現場で開発の仕事をしましたが、あまりの大変さにメンタルバランスがどんどん崩れていきましたwwww

「未経験者からはじめるIT!」に釣られたぼく・・・

デザイナーとして毎日デザインソフトでせっせと絵を描いていた私ですが、絵の単価の安さに絶望してプログラマーになることを決意します。

プログラミングは難しそうだけど習得すれば一生の仕事にできるし、単価も高い!

うん!安直ですね!

そんな安直な僕はあっさり転職活動を終え、毎年連続黒字のちょっといい会社に入ります。

「こんないい感じのITに入れた僕は特別に違いない!」

最初はそう思い込んでいましたが、実際入社してみると周りは冴えない野郎どもばかり。

そこで気付いたのです。「この会社結構簡単に入れるんだ・・・」と。

自分も冴えない野郎どもの一人だったんだ と。

IT企業はSESという形態をとっていて、まあ簡単に言えば社員を30万円で労働力としていろんな会社に売り飛ばして、そのうち20万をお給料にして社員にプレゼントし、残りの10万円を会社の利益にしていきます。

つまり、人を雇えば雇うほど会社がお金持ちになっていくんです!

要は会社からしたらとりあえず誰でも入れたいんですね!

ぼくはただの養分でしかなかったのです・・・。

入社当初はそんなことにも気付かず、自分はエンジニアの才能がある特別な人類だと思い込んでいました。

そんな私の残念な発言をいくつかご紹介しますね。

1、「とりあえず言語はPHPでフレームワークはLaravelをやりたいです!」

意味(今流行のプログラミング言語でかっこいいサイト作りたいっす)

2、「テストは嫌です!コードをバリバリ書きたいです!」

意味(下積み期間とかいらねえからとっととコード書かせろよ)

3、「Javaみたいなダサい言語はやりたくないです!」

意味(Javaとかいうよくわからない言語はどうせ滅びるんでやる必要ないっすね)

お前は何様なんだと小一時間問い詰めてやりたいです。私は一体何様なのでしょうか・・・。

仕事が見つからない!

2ヶ月の研修を終え、いよいよ現場に出てお仕事をします!

しかしその前に現場の面接に合格しないと出向することができません。

で、私は面接はどうだったかというと・・・

そもそも面接にすら行けませんでした。

書類選考でバコバコ落とされます。

なんか本当に理不尽な話なんですけど、現場の人たちはIT経験者を欲しがります。

でも経験者は人気なので既に他の現場に出ちゃってます。

だから私のような未経験者がたくさんいるのですが、未経験者は欲しくないので採用されません。

未経験者はどんどん余っていきます・・・。

そんな状況の中「コード書きたいよ〜」とかほざく私を営業さんはどんな気持ちで眺めていたのでしょうか・・・ああ思い出すだけで消えて無くなりたい・・・。

しかしこんな醜い私にラッキーが起きます。

会社の先輩が現場でバリバリコードを書いており、そのアシスタントとして入れてもらえることになったのです!

さあ!コード書きまくるぜ!と思っていたら・・・

大抵ここで普通の人は

「コード書けると思ってたのに雑用ばかりさせられた・・・」

って文句を言います。

しかし私はラッキーなことに、バリバリコードを書かせてもらえました!!

なぜなら人手があまりにも足りていない、いわゆる炎上している現場だったからです!!

けれども大きな問題があったのです。それは

ぼく経験が無いからコード書けない

ということです。

SwiftとObjective-Cという言語が使われているiPadアプリを作る仕事だったのですが、本当に大きなシステムで、ひどい場合は10000行のコードが書かれているファイルもありました。

Hello World程度しか出力できない私にそんな量のコードが読めるわけありません。

読めないということは書くことはもっと無理!

最初の数ヶ月は毎日先輩にため息をつかれながらコードのことを教わっていました。

何も出来ない自分へのイラつきがピークに達する

なんとか簡単な読み書きはできるようになってきましたが、現場の高レベルなコードに適応することはまだまだ不可能でした。

最初は元気一杯だった私もだんだんと心が擦り切れて鬱々とし、最終的にはイライラし始めます。

いくら勉強しても教わってもできるようにならない自分にイライラし、「俺は普通よりできる方だ」「先輩は教えるの下手くそだ!」とか訳のわからない怒りを感じ始めるのです。

今冷静になって考えると完全に自分の努力不足なのですが、あの頃はどうかしてたんですねえ・・・態度が悪くなっていたように思います。

だんだんと上司や先輩との関係が悪化していきます。

(ちなみにこの拗らせは発達障害が原因だった可能性が高いです。発達障害のことの記事はこちら

次の現場ではこうならないように絶賛投薬治療中です!)

現場を追放されてしまう

気付いた時にはもう手遅れでした。

イライラを露わにしすぎた私は上司や先輩から完全に苦手意識を持たれ、簡単な修正の仕事しか振ってもらえなくなります。

そして仕事のピークを過ぎて人手がいらなくなったタイミングで、私は現場を追い出されてしまいました。

入れ替わる形で新人が入りました。

扱いづらい半端な経験値の私より、素直な未経験が選ばれたのです・・・。

本社に帰ると、営業がひどく残念な顔をしていました。

「キララさん。例えコードを書けるとしても、あなたは側から見たらたった半年しか経験の無いハンパなエンジニアです。市場価値はほぼ無いと思ってください。」

ぴしゃりと言われました。

「そんな・・・確かに半年だけど俺は前よりいろんなことが理解できるようになったぜ!」と信じ込んでいたのですが、営業さんの仰る通り、次の現場へのオファーはまったく私の元に届きませんでした。

最初は半年間学んだSwiftの仕事を探して営業さんがいろんなところに電話やメールをしてくれました。

しかし、メールは返信なし。電話は即切られる。

毎日毎日、何十個もの企業にコンタクトを取ったのに、誰からも見向きされませんでした・・・。

とうとう営業から

「コード書くのは諦めてください。テストとかもっとショボい仕事をやってください」

「はい」と頷くしかありませんでした・・・

こんなに応募してリアクションがもらえないのならもうテストしか無い・・・そう思ったのですが、さらに厳しい試練が待ち受けています。

なんとテストにすら呼んでもらえなかったのです!

ここまで自分に価値が無いとは思いませんでした。

10時出社の私服勤務なんて言ってられません。9時でも8時でも、電車で1時間以上かかるところだろうとガムシャラに応募するしか無くなりました。

もうおしまいだ・・・そう思った時、奇跡が起きました。

努力は裏切らない

今まで見向きもしてもらえなかった私ですが、1社だけ面接をしてくれるという会社が現れたのです!!

しかもテストではなくiPhoneアプリ開発のお仕事です!!!

感謝してもしきれないくらいの感謝を胸に、鼻息を荒げながらその現場の面接にいきました。

とても優しそうな方で、面接はスムーズに進みました。そこで私は、

「どうして私のような経験の浅いエンジニアに興味を持ってくださったのでしょうか?」と尋ねてみました。すると

「君の作品集を見て興味を持ったんです」

と言われたのです。

私は実は、プログラミングで勉強した成果物をちょくちょくGitHubという、要は作品集としてネットにアップしていました。

この方はそれを見て、「経験は浅いけど努力をしている人なんだ」と私を評価してくれたのです。

『努力は必ず実るわけではない。でも、成功者はみんな努力してる。』

はじめの一歩っていう漫画でそんな感じのセリフを見たことがありますが、まさにそんな感じですね。

コツコツコードを書いて、勇気を出してネットにアップして本当によかったです・・・!

現在はフリーランスエンジニアに

ここからいろいろあり、私は来月からフリーランスのエンジニアとして働くことになりました。

正直業務経験半年でなるにはかなり厳しい仕事です。

1年でも経験があれば月収50万円は狙えるのですが、残念ながら私には30万円の価値しかつきませんでした。

人によっては30万円は高収入に見えるかもしれませんが、フリーランスは国や保険に払わないといけない金額が多いため、結局手元に残るのは18万円程度になってしまいます。

しかも給料は翌々月払い。

2ヶ月後に支払われるんです。

どう頑張っても1ヶ月無収入になるため、私は嫁に借金をします。先日冷蔵庫を買った時にも借金したので20万円くらい借りてることになりますね・・・。

嫁は高収入なので涼しい顔ですが、そんな嫁も元々はIT企業で雑用ばかりしていた下積み期間がありました。そこから堅実に這い上がり今の給料が実現できているのです。

 

とにかく伝えたいのは、「私のようには絶対にならないでくれ」です。

どんなに給料が安くても、仕事がつまらなくても、1年・・・いや2年はIT業界で経験を積んでください。テストでも構いません。なんならテストの経験が無くて現在超絶苦労しています。テスト大事です。

経験年数があればあるほどコードを書くチャンスは増えていきます。

そして人間関係はコードを書くことより大事。私は心療内科に行くくらい徹底して反省しました。

最後に仕事以外の時間で努力すること。

どんなにショボいコードしか書けないとしてもしっかりGitにアップして作品集を作り、それを企業に見せるようにしましょう。

これを頑張れば頑張るほど開発の仕事に就ける可能性は増していきます。頑張りましょう!

 

ダメダメフリーランスエンジニアの略歴でした。ではでは

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUT US
西山はるか
会社員だったがうつ病で退職。 そこからなぜかプロナレーター・声優に。 しかしこれだけでは食っていけないと思い絵もデザインもド下手なのに経験者というハッタリをかまして、見事グラフィックデザイナーに転身。 その後さらに収益をアップさせるためにフリーランスエンジニアにジョブチェンジ。もうめちゃくちゃである。