【浦沢直樹×ルーヴル美術館】「夢印」は良かった

浦沢直樹の新刊

私、何を隠そう浦沢直樹の大ファンなんです。

YAWARA!を読んで「おもしろいなあ」と思い、MONSTERを読んで「なんだこれヤベエ!!」って思い、

20世紀少年を読んで「途中は面白かったけど・・・」となり、ビリーバッドを読んで「もう読むのやめよっと」ってなりました。

プルートゥも特装版で集めましたがちょっと話が理解できませんでした。

あ、マスターキートンは良かったですね!

なんだかんだ、浦沢様の描いたものはほとんど読んでいます。

 

そんな彼の新刊「夢印」が最近登場しました!早速読んじゃいました。

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感想「素晴らしい」

いやあ浦沢直樹様・・・よくやってくださいました。最高です!

正直あまりネタバレしたくありません。

そして考察もする必要がありません。

なぜなら完璧に1冊の漫画に綺麗に収まりきっているからです!!!

これを待っていた・・・!完璧すぎてちょっとのことでもネタバレになっちゃう!

ちなみに、「イヤミはフランス帰りである」という予備知識が必要です。

なんでルーヴル?

そういえばなんでルーヴル美術館とコラボしているのか?

実は天下のルーヴル美術館が、「漫画」を第9の芸術として認めたんですね。

それで、ルーヴルの芸術作品としての漫画を浦沢直樹が任されたそうなんです。すげえ!

でも聞いた話だと浦沢直樹はこの件を断ろうとしたんだとか?

浦沢直樹は漫画を芸術とは思わなかったみたいですね。

とはいえ結局描いてるwルーヴルを舞台にした素晴らしい作品です!

感想その1「話が短い」

もちろん褒め言葉です。

1冊の漫画で全て収まっているので、買いやすいし読みやすいです。

歳をとるとどうも漫画はまとめ買いすることが増えて・・・。

夢印みたいに1発で読める漫画は本当に助かりますね!

感想その2「話がよくできてる」

最初から最後まで全ての場面に伏線が張られています。

そしてほぼ全ての伏線が回収されます。

「できすぎてるな」とは思ってしまうけど、1つのエンターテイメント作品としてそれは問題にはなりません。

ハリウッド映画を見て「こんなこと実際あるわけ無いじゃん」って思いますか?そんな意地悪なこと考えないじゃないですか。

そう、夢印はちょっとした映画を見ているような気分になれる作品です。

感想その3「やっぱ絵がうまい」

これは定義によるんですけど、浦沢直樹の絵はうまいと思います。

「丁寧で綺麗な絵」ではなく「写実的」なうまさですかね。

「実際にこんな人いそうだな」って思わせる描写力が魅力です。

背景もかなり描き込まれていて毎回尊敬します・・・。

ちなみに表紙にもなっている女の子「かすみ」ちゃんがめちゃくちゃ可愛いです。

すごくいい子で、ダメダメな甲斐性なしのパパを最後まで支え続けます。恋しそう。

もうこのブログなんてどうでもいいからこのドキュメンタリーを見てください・・・。

浦沢直樹を見ているとすごく漫画を描きたくなります。

こんな絵が描けたらなあ・・・。

総評

浦沢直樹は最初、明るい漫画を描く人でした。

しかしそれは編集部などから指示されて描いたものです。

確かに画力もストーリーも秀逸で、大ヒット作を連発したのですが、彼の描きたいものはそんな漫画ではありませんでした。

(そうは言っても超面白かった・・・)

そしていよいよ連載したのが「MONSTER」。おそらく私が一番好きな浦沢作品です。

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全18巻のサスペンスです。

今までの浦沢直樹のテイストとは違う、くら〜い話です。

天才医師テンマは銃で撃たれた子供を治療し助けますが、その子は数年後、世紀を揺るがす殺人犯へと変貌します。

自分が助けたからには責任を取らなくてはいけない・・・。

そう感じたテンマは、医者でありながらもその子を殺すために旅立ちます。

いやー最高でしたよ。スケールの大きな作品でした。

しかしどうもこの頃から、物語の最後が難解になることが増えました。

20世紀少年、プルートゥなど、どれも面白いのですが、最終回だけはよくわからない内容になる・・・。

最近終えた「ビリーバッド」もそんなテイストな気がして読もうと思えませんでした。

でも夢印は違います。

言ってしまえば、最初の方の明るい作品寄りです。

なおかつミステリー感を漂わせる、非常にバランスの取れた物語です。

 

1冊で終わるし話の出来も良い。

久しぶりに他人に堂々オススメできる漫画に出会いました

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西山はるか
会社員だったがうつ病で退職。 そこからなぜかプロナレーター・声優に。 しかしこれだけでは食っていけないと思い絵もデザインもド下手なのに経験者というハッタリをかまして、見事グラフィックデザイナーに転身。 その後さらに収益をアップさせるためにフリーランスエンジニアにジョブチェンジ。もうめちゃくちゃである。