浦沢直樹の新刊
私、何を隠そう浦沢直樹の大ファンなんです。
YAWARA!を読んで「おもしろいなあ」と思い、MONSTERを読んで「なんだこれヤベエ!!」って思い、
20世紀少年を読んで「途中は面白かったけど・・・」となり、ビリーバッドを読んで「もう読むのやめよっと」ってなりました。
プルートゥも特装版で集めましたがちょっと話が理解できませんでした。
あ、マスターキートンは良かったですね!
なんだかんだ、浦沢様の描いたものはほとんど読んでいます。
そんな彼の新刊「夢印」が最近登場しました!早速読んじゃいました。
感想「素晴らしい」
浦沢直樹とルーヴルがコラボした漫画 「夢印」を読んだ
いやこれ久しぶりに良かった
他人にオススメしたい漫画がまた増えた
浦沢直樹にしてはまとまりが良すぎ! pic.twitter.com/wSWVEJRHM7— 明後日キララ♂ (@zahilwezC4Px0ok) 2018年8月13日
いやあ浦沢直樹様・・・よくやってくださいました。最高です!
正直あまりネタバレしたくありません。
そして考察もする必要がありません。
なぜなら完璧に1冊の漫画に綺麗に収まりきっているからです!!!
これを待っていた・・・!完璧すぎてちょっとのことでもネタバレになっちゃう!
ちなみに、「イヤミはフランス帰りである」という予備知識が必要です。
なんでルーヴル?
そういえばなんでルーヴル美術館とコラボしているのか?
実は天下のルーヴル美術館が、「漫画」を第9の芸術として認めたんですね。
それで、ルーヴルの芸術作品としての漫画を浦沢直樹が任されたそうなんです。すげえ!
でも聞いた話だと浦沢直樹はこの件を断ろうとしたんだとか?
浦沢直樹は漫画を芸術とは思わなかったみたいですね。
とはいえ結局描いてるwルーヴルを舞台にした素晴らしい作品です!
感想その1「話が短い」
もちろん褒め言葉です。
1冊の漫画で全て収まっているので、買いやすいし読みやすいです。
歳をとるとどうも漫画はまとめ買いすることが増えて・・・。
夢印みたいに1発で読める漫画は本当に助かりますね!
感想その2「話がよくできてる」
最初から最後まで全ての場面に伏線が張られています。
そしてほぼ全ての伏線が回収されます。
「できすぎてるな」とは思ってしまうけど、1つのエンターテイメント作品としてそれは問題にはなりません。
ハリウッド映画を見て「こんなこと実際あるわけ無いじゃん」って思いますか?そんな意地悪なこと考えないじゃないですか。
そう、夢印はちょっとした映画を見ているような気分になれる作品です。
感想その3「やっぱ絵がうまい」
これは定義によるんですけど、浦沢直樹の絵はうまいと思います。
「丁寧で綺麗な絵」ではなく「写実的」なうまさですかね。
「実際にこんな人いそうだな」って思わせる描写力が魅力です。
背景もかなり描き込まれていて毎回尊敬します・・・。
ちなみに表紙にもなっている女の子「かすみ」ちゃんがめちゃくちゃ可愛いです。
すごくいい子で、ダメダメな甲斐性なしのパパを最後まで支え続けます。恋しそう。
もうこのブログなんてどうでもいいからこのドキュメンタリーを見てください・・・。
浦沢直樹を見ているとすごく漫画を描きたくなります。
こんな絵が描けたらなあ・・・。
総評
浦沢直樹は最初、明るい漫画を描く人でした。
しかしそれは編集部などから指示されて描いたものです。
確かに画力もストーリーも秀逸で、大ヒット作を連発したのですが、彼の描きたいものはそんな漫画ではありませんでした。
(そうは言っても超面白かった・・・)
そしていよいよ連載したのが「MONSTER」。おそらく私が一番好きな浦沢作品です。
全18巻のサスペンスです。
今までの浦沢直樹のテイストとは違う、くら〜い話です。
天才医師テンマは銃で撃たれた子供を治療し助けますが、その子は数年後、世紀を揺るがす殺人犯へと変貌します。
自分が助けたからには責任を取らなくてはいけない・・・。
そう感じたテンマは、医者でありながらもその子を殺すために旅立ちます。
いやー最高でしたよ。スケールの大きな作品でした。
しかしどうもこの頃から、物語の最後が難解になることが増えました。
20世紀少年、プルートゥなど、どれも面白いのですが、最終回だけはよくわからない内容になる・・・。
最近終えた「ビリーバッド」もそんなテイストな気がして読もうと思えませんでした。
でも夢印は違います。
言ってしまえば、最初の方の明るい作品寄りです。
なおかつミステリー感を漂わせる、非常にバランスの取れた物語です。
1冊で終わるし話の出来も良い。
久しぶりに他人に堂々オススメできる漫画に出会いました
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