猫を飼ってみて、子供が欲しくなった

西山はるか
今回はエッセイです

最近猫を飼い始めました。西山はるか。

 

最近私も29歳になり、かつての学友たちがFacebookやTwitterで出産報告をするのを見かけることが増えてきました。

(インスタでも出産報告してる人がいっぱいいるのでしょうがそれはわかりません。フォロワー1人しかいない弱小アカウントなので…。)

 

私は25歳の時に現在の妻と結婚し、最近は一軒家も(嫁の金で)購入して自由気ままに暮らしています。

周りからも「落ち着いたんだしそろそろ子供作るんでしょ〜?」とかよく言われるのですが現在子供はおらず、作る予定もありません。

 

子供を作るってなんとなく気が進みませんし、最近まで子供を欲しがる人の気持ちが理解できませんでした。

 

確かに子供は可愛いですが、可愛いからって理由だけで子供を持つのは子供がかわいそうなんじゃないかと思うのです。

 

しかし猫を飼って少し価値観が変わり、

 

可愛い以上の理由なんていらない

 

と思えるようになりました。

 

子供は作らない話になった

さて、今この記事を読んでいるあなたは「子供が欲しい」と感じる人でしょうか?

 

僕はというと

「どっちでもいい」

と思っているタイプです。

 

もちろん子供は可愛いと思います。

僕ガキは嫌いだけど子供は大好きですよ!!←

 

僕は小さい頃に6個下の弟と12個下の妹の面倒を見ていたことがあるので、泣き癖の悪さやオムツ替えなどのある程度の赤ちゃん要素に慣れている部分があり、もし僕がお父さんになったらまあまあデキるお父さんになれるんじゃないかと勝手に思っています。(後ほどこの自信は打ち砕かれます)

 

育児に疲れて死んだように眠る母ちゃんの姿を見たことがありますし、積極的に育児をしているつもりでも母ちゃんに怒られてイライラする父ちゃんの姿も見てきました。

 

赤ちゃんがいることによる良い面、悪い面どちらもある程度は知っていて、だから赤ちゃんがいたらいたでしっかり責任を持って育てたいとは思っています。

 

しかし嫁にこの話をしたところ

 

「良いパパになれるとかなれないとかそんなことはどうでもいいから、欲しいか欲しくないかで答えろ

 

と言われました。

 

それに対して僕は

 

「どっちでもいい。君が赤ちゃん欲しいなら育児頑張るよ。」

 

と、素直に思っていることを伝えました。

すると嫁は

 

「あたしは赤ちゃんちょっと欲しいけど、あなたがそういう半端な気持ちならいらない。」

 

と答えてきました。

 

「えー?欲しいなら赤ちゃん作ろうよ」とも思いましたが、同時になるほどとも思いました。

嫁としても、「赤ちゃんどうでもいいけどいたら育てるよ〜」とか言っているやつに命を預けたくはないでしょう。

 

周囲からは「育児は体力使うよ」「若いうちに作っとき」「若い方が保育園安くなるよ」などと言われるので、早めに子作りした方が良いのはわかっているのですが、子育てにあまりモチベの湧かないダメなパパに、子育てをする資格は無いでしょう。

 

とりあえず話し合いの結果、僕が赤ちゃん欲しくなったら作る or 嫁が急に子供が超絶めちゃくちゃ欲しくなったら作るという方向性で固まりました。

 

ぼくが子供を持って良いのか

あなたの貯金残高はいくらありますか?

 

恥を忍んで言うと僕の貯金残高は現在1万円です。恥を知れ。

今週末に振り込まれる給料が待ち遠しいです。

 

さて、子供が大人になるまでかかる費用は大体3000万円と言われています。

 

貯金残高1万円の僕が育児などという偉業を成し遂げることができるのでしょうか??ちょっと難しいような気がします。

 

この話をすると「意外となんとかなるよ」と言ってくる既婚者が多いです。

 

僕の地元の静岡にはヤンキーな同級生が多いため、中学生の時点で妊娠しちゃった子もいますし、少数ですが中絶せずしっかり産んで育てている強者もいますし、大学行かずに社会に出てそのまま結婚出産している人はまあまあいます。

そういう人たちも元気に育児を頑張る姿をSNSにアップしているので、お金が無かろうと赤ちゃんを頑張って育てたらなんだかんだなんとかなっちゃうんだろうなと思うのです。

 

では遺伝子的な問題があるとすれば?

 

僕はおそらく発達障害です。

 

いっときは自分の能力の低さに酷く悩んだ…いや今も悩んでいますけど、発達障害の原因は父や祖父から遺伝したものだとわかり少しほっとしました。自分のせいではなかったので。

参考:僕のヤバい発達障害お父さん

僕の発達障害体験談あるのでぜひ読んでみてください。「申し訳ないけど笑った」と素敵な感想をいただけました。

参考:僕の爆笑発達障害メモリー

 

つまり僕が子供を作ったら高確率で発達障害が遺伝すると考えられます。

女の子にはあまりこの因子が発現しないそうなのでそれに賭ける手もありますが、やはりそれは可能性の問題であるため、万が一にでも遺伝してしまったら僕と同じような苦労を味わうことになってしまいます。

 

とはいえ有名な言葉に

案ずるより産むが易し

というものがあります。

 

これは

つべこべ言わずに産んでみろ。可愛いぞ。

と言う意味です。

 

実際子供を授かって後悔している人を見たことが無いので、まあつまり、産んだらそれはそれでハッピーなのは間違いなさそうです。

 

しかししかし、既婚者の方に「子供って作った方がいいのかな?」って相談すると10割の確率で

「作った方がいいよ!可愛いもん!」

しか言ってきません。

 

いやいや可愛いだけで作っちゃダメだろ…

こんな私のひねくれた感情も、後ほど一気に崩れ去り、可愛い is God が座右の銘になるとは1mmも考えていませんでした。

 

この子はワシが育てる!!

子供は持たないことにしたんだし、夢だったペットを飼ってみようと思い、ある時(嫁の金で)猫を買ってきてしまいました。

 

ペットショップから子猫を持ち帰り、家にちょこんと置くと

 

か、可愛い!!!!!!!!!

(慣れない環境に怯える子猫の図)

 

恐る恐る抱っこしてみると…

 

な…なんと華奢なのでしょう…

 

少し強く握っただけで折れてしまいそうな手足、薄い皮膚の向こうから伝わってくるハートビート(ドンドコドンドコ)。

多分、グッと力を入れたらこのニャンコは間違いなく死ぬ。

今このネチコヤンの生死は僕に委ねられているのだ…

そして僕はこの子を「殺したくない」。「ぶっ生き返したい」。

これが、生きるということなのか…。

 

わからないですけど多分赤ん坊をだっこした人の64%くらいが

「生きてる…」

って言ってしまうと思うんですけどどうでしょう?僕は絶対言うと思います。猫を抱っこした時に言ってしまいました。

 

「この子は、ワシが守るんじゃけえ…!」

(ひぐらしのなく頃により引用 さとこを虐待していたけど改心したおぢさん)

 

枯れた僕の心に、母性という新芽が生まれた瞬間でした。

 

片時も目が離せず育児ノイローゼ

ミサイルと名付けたその子猫は、それはもうやんちゃでした。

 

常に遊びたがるし、そこらへんに落ちているものをすぐ食べるし、家に慣れるとどんどん危ない場所への興味が湧いてきます。水道とかガスコンロとか。

そのくせ檻の中に入れると「出せー!」と永遠に鳴き続けるのでたまったもんじゃありません。

いつ事故が起きるかわからなくて仕事が手に付きません。

 

「子育ても両立したいので在宅ワーカーやってます」

 

とか言ってるイケイケなママをTwitterで見たことがありますが、

いや化け物か。

僕は在宅ワーカーだが猫の面倒ですらヒィヒィ言って仕事ができません。

仕事しながら人間の赤ちゃんの面倒見られるって戦闘民族かなんかなのでしょうか。尊敬しかありません。マジリスペクト。

 

ネチコヤンはニャーニャーしか言わず人の言葉が話せないし表情筋が無いため、今どんな状態なのかを知る手段がウンコしかありません。

ウンコが綺麗なら健康だろうし、ウンコがビチビチなら何か体に異常が起きてると判断するしか無いので、毎日トイレの中をチェックする時はドキドキで慎重です。

 

我が家にお迎えした日のウンチがビチビチだったので即病院に連れて行ったりもしました。全く異常はありませんでした。

 

以前の僕は

「育児ってめんどくさそうだなー」

「俺几帳面な性格じゃないから嫁に任せっきりになりそー」

とかなんとか言ってたのですが、

 

実際こうやって赤ちゃんを目の前にするともう目が離せなくてついついめんどくさい育児を自ら積極的にやってしまいます。

 

だって死んだらヤバいじゃん。

 

夜も寝る時「死んじゃってたらどうしよう…」と不安で全然眠れず、最初の頃は常に寝不足でした。

 

そして、僕は積極的に猫の世話をやっているつもりでも嫁から怒られることもありました。

 

「あなたはしっかりやってるつもりでも、他の細かいお世話は全部あたしがやってるの」と言われ、ああ、これで世の子育てパパはTwitterで奥さんに叩かれるんだなとしみじみ感じました。

僕がやっていた世話の裏にあるもっと大事な世話は、全部嫁がこっそりやってくれていたのです。

 

男って本当に気が利かない生き物なんだな…女ってすげえや…

 

猫の育成方針でも揉めました。

 

ミサイルは暴食の権化で、僕たちが食べているご飯をいつも食べようとしてきます。

たとえ熱々のフライパンに乗ったおかずだろうと狙ってくるのですが、あまりにもしつこく狙ってくるのでもう放っておこうと考えました。

(暴食のどん兵衛)

 

一度熱いフライパンを舐めて火傷でもすれば、「もうフライパンからおかずを盗むのはやめるにゃ〜」と学習してくれるのではと考えたのです。

しかし嫁にめちゃくちゃ怒られました。

 

「ミサイルが火傷したらどうするの!」

 

「いや火傷で死ぬわけじゃないし」と僕も反抗し喧嘩になりました。

まあでも経験上こういうのは大体女の発言の方が正しいことが多いので僕は素直にごめんなさいしました。

 

カロリー計算もロクにせずこっそりおやつを与えた時も怒られました。

「健康に長生きしてほしいんだから考えも無しにおやつをあげるのはやめて!」と。

うっ…ごもっともです…。

 

もし人間の赤ちゃんがいたら、僕はなんだかんだお世話をするし、そして気が利かなくて嫁に怒られまくるんだなというのが疑似体験できてすごく勉強になりました。

 

二人目が欲しくなる

ねえ…あなた…そろそろ二人目も…」

 

これは、僕が嫁に放った言葉です。ヴォエ!!

 

恐ろしいことに猫が一匹じゃ足りなくなってしまいました。

 

正直僕は、子供を二人とか三人とか欲しがる人の気持ちが理解できませんでした。

 

だいたいの人は

「一人じゃ寂しいだろうし」とか

「あたしが三人兄弟だったからあたしの子も三人兄弟にしたい」とか

「また赤ちゃんが抱っこしたい」とかそんな感じの理由で二人めの子供を作ります。

 

いやいやいや…子供一人にかかる養育費は3000万円ですよ?

 

二人目だなんて贅沢言わずに、一人を全力で育てた方が効率良いじゃないですか。

またつわりになって苦労したり、大きなお腹痛めて辛い出産しなきゃいけないなんて嫌じゃないですか。

僕は6歳まで一人っ子でしたけど兄弟が欲しいとか寂しいとか思ったことありませんよ????まあ今ではブラコンだけど。

 

そんなこと言ってた僕が二匹目が欲しくて欲しくて仕方ありません。(マジキチスマイル)

 

これに対し嫁は

「うーんでも猫の世話あまりやってくれてないし、私の負担が増えるの嫌だな」

と。

 

だから僕は

「僕お世話頑張るよ!ミサイルも次の子も、今よりいっぱいお世話するよ!!」

と必死に説得しました。

 

ああ、

 

二人目の子供を奥さんにお願いする世の男ってこんな感じなのかな…。

 

必死の説得の末二匹目を飼うことができました。嫁の金で。

 

(ショーケースの中にいるこいつに運命を感じた)

 

(カノンと名付けた。意味は「大砲」)

 

カノンはミサイル以上にやんちゃで、育児ノイローゼが加速する原因になりました。

ミサイルは几帳面なためうんちを必ずトイレでしてくれるのですが、カノンはどこでもうんちをします。

 

私の大事な吸音材がウンチまみれになって泣く泣く捨てることもありました。

 

物も頻繁に破壊しており、最近は3万円のフィギュアに目をつけているみたいで、これを壊されたら二度と立ち直れないかもしれません。

 

けれどもやっぱりすごく可愛いです。

可愛い我が子が二匹もいてハッピー!と思いきや

 

(決死の取っ組み合い)

 

絶望的に相性が悪かった。

 

人も、兄弟が必ず仲良くなってくれるわけではないのだなと思いました。

 

それでも子供は何人でも欲しくなっちゃうのだから、子供の持つ魔力ってすごいですね。

 

これから二匹が仲良くやれるよう頑張りたいと思います。

 

可愛いは、人が生んだ神

さて、もし私が

「猫を飼ってよかったことを教えてください」

と言われたら

 

可愛い

 

しか浮かびません。

それ以外特に感想が出てきません。

 

そしてハッとします。

 

これ赤ちゃんのいる既婚者たちと同じこと言ってる、と。

 

子持ちの方々に「子供のメリットって何?」と聞くと「可愛い」しか言わないので、

 

「え〜それだけしかメリット無いのに産むの?」といささか疑問でしたが、今なら確信を持って言えます。

 

可愛いに勝るものなし

と。

 

(かわいい)

 

(かわいい)

 

可愛いって理由だけで子供を作ることは悪いことじゃない、だって可愛いは正義なんだから。

 

猫を飼って、プチ子育てを体験できて、いつの間にかそんなことを思えるようになりました。

赤ちゃんも悪くないですね…!

 

確かに赤ちゃんは数年したら大きくなり、最終的にはおじさんかおばさんになります。

僕も可愛いベイビーだった時期はありますが、今では青髭びっしりの哀しいオッサンです。

可愛さのかけらもありません。

 

でももし僕が子供を授かったら、

「可愛い赤ちゃん期間をくれてありがとう、お礼におじさんおばさんになってもしっかり可愛がるよ」

って感じることができると思います。

 

子供って、いいねっ…!

 

ただ、

猫を飼って分かったことがもう一つあって、

それは私の性格の悪さです。

 

猫があまりにも可愛すぎて無理矢理抱っこしてしまったり、いたずらをして驚かせてしまうことが多く、いつの間にかミサイルは私のことを避けるようになってしまいました。

 

カノンとはそういう関係にならないよう頑張ってはいますが、ミサイルとの信頼を取り戻すのには時間がかかりそうです。

 

思えば私も父にそんなことをされていたなと感じます。

 

父は私のことが大好きでいつもベタベタしてきましたし、いたずらをしてからかってゲラゲラ笑ってきたりもしました。

私はそんな父が大嫌いで、いまだにLINEをブロックしています。今後も外さないでしょう。

 

子供にナメた態度を取った記憶は、なんとなく嫌な感情としてずっと子供の中に残り続けるのです。

 

残念ながら父のそういった性格は私にしっかり遺伝しているようで、これは多分どんなに気をつけても消すことはできない特性なのだなと思います。

 

だから、私は子供を作ったら絶対に嫌われてしまうことがわかりました。私はきっと、いい親にはなれないでしょう。

子供は作れそうにありません。

 

猫を飼って本当によかったです。自分を見直すことができました。

 

可愛いには、全てを屈服させる力があります。

 

 

さーて!3匹目はいつ買おうかな!

嫁の金で。

 

ではでは

 

※注意

誤解しないでいただきたいのですが、常に嫁と話し合って出費してもらっているので、私たちはとっても仲良しです。

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ABOUT US
西山はるか
会社員だったがうつ病で退職。 そこからなぜかプロナレーター・声優に。 しかしこれだけでは食っていけないと思い絵もデザインもド下手なのに経験者というハッタリをかまして、見事グラフィックデザイナーに転身。 その後さらに収益をアップさせるためにフリーランスエンジニアにジョブチェンジ。もうめちゃくちゃである。