私はひょんなことから出会ったアーティストと連絡先を交換し、修行に(遊びに)行くことを決意したのだった・・・

私は大学を卒業してから2社経験し、そしてニートになりました。
理由は簡単。会社がつまらなかったからです。
私は小さい頃からたくさん親に投資してもらいました。
ピアノや柔道、絵画を習わせてくれたし、高めの塾にも通わせてくれた。中学の時は吹奏楽部だったから高額なのにフルートを買ってくれた。女の子とデートする時は服代もくれたし、週7日ある厳しい部活でも毎日朝早くからお弁当を作ってくれた。作れない時はお昼代をくれた。
学費の高い高校や大学にも通わせてくれた。留年して学費が追加でかかっても我慢して支払ってくれた。アナウンサー養成所とか声優養成所も行かせてくれたし、その間の生活費や家賃だってくれた。
総額したらいくらだろう・・・とんでもない額の投資をしてもらった私が働き始めた会社は、ごくごく普通な会社でした。今まで支払ってくれたお金のほとんどが無駄になったのです。
「エアコンに貼り付けると電気代が下がる」という魔法の板を売る営業マンになって、たくさんのお客さんに冷たい目で見られました。
もちろん悪いことばかりではありません。営業をすることでどんどん人との接し方や駆け引きのスキルが上がり、心も強くなりました。「自分なら石ころでも売れるんじゃないか」と思うくらいセールストークに磨きがかかり、後で気づいたのですが転職する時の面接にかなり強くなっていました。自分を営業するんですから。
でもそれ以上に辛かったのです。上司には酒を朝まで飲まされるし、キャバ嬢の前でパンツも脱がされたことがありますね。営業は服装にも気を遣わないといけないから少ない給料なのにスーツや腕時計を揃えました。
何より、「これから毎日会社行って帰って寝るだけの生活が死ぬまで続くのか?!」と思うと恐怖でした。
そのあと退職し、IT大手に入り、エンジニアの資格を取りました。営業マンはもうやりたくなかったからです。職人になれば回避できるかな、と。
けれども私は営業の経験が買われ、見積書の作成や顧客対応ばかり任されました。
17:30には上がれるしボーナスも出るし、パワハラもされないし、なかなか良い企業だったのですが、なぜか鬱になり退職しました。
だからその時気付いたんです。
私は好きなことをしないと生きていけないタイプなんだ。
楽器や絵画や柔道やアナウンス。たくさんのことを習ったけれども、どれも才能が無いと勝手に決めつけて普通のサラリーマンになることを選んでしまった。
もうそれは嫌だ。だからこのアーティストさんの話を聞いて、自分もアーティストになれるのかどうかを見極めよう!!
アーティストの家にお邪魔したらマジでアーティストっぽかった
お姉さんのくれた住所を元に歩き、小さなマンションの前にたどり着きました。
「あー本当に来たんだねw」
お姉さんは快く私を迎え入れてくれました。部屋の中を見ると・・・タカがこちらを睨んできました。
「ファッ?!タカがこっちを見てる?!」
「驚いた?私こういうの大好きでさあw」
見てみると、タカの他にもフクロウが二羽いました。巨大な鳥三羽に見つめられながらリビングの椅子に座ります。
超怖いです。フクロウはおとなしいけどタカは今にも襲ってきそうです。さすがアーティスト。
お姉さんはジュースを出してくれました。
「いらっしゃいキララ君。私はマチャミといいます。(仮名)」
「マチャミさんですね。お久しぶりです。来ちゃいました。」
「で、何の話する?」
「マチャミさんがどうやって絵を描いているのかを知りたいです。自分のものにできるかはわからないけど、俺、できれば絵を描く仕事をしたいんです!だから・・・」
「なんだそんなことかwww」
「ファッ?!そんなこと!?」
「いいよw私の作品の作り方は企業秘密だしそもそも真似することが不可能だけど、基本的な概念なら教えてあげる!」
「キホン・・・?」
「あのね、君の画力は知らないけど、絵なんて描けなくてもデザイナーくらいなら誰でもなれるんだよ?」
「ファッ?!」
素人でもデザインくらいならできてしまう
「誰でも?!??!?」
「そりゃまあ最低限の絵の知識は必要だけど、相当才能が無いとかじゃなければ誰でもできると思うよ」
「どうやって?!」
「トレースw」
「トレース??!??!?!?!?」
説明しよう!トレースとは!!人の絵を真似することだ!!
「マチャミさん!人のデザインをトレースするなんてダメですよ!」
「そりゃあそのままトレスしたらダメだろうねwプラスアルファしないと」
「ほ?」
「例えばさ、妖精の絵を描いたことある?」
「フェアリー?うーん無いです」
「じゃあいきなり妖精描けって言われたらどうやって描く?」
「うーん妖精の画像を探して、それを参考に真似して描きますかね・・・?」
「それでもいいかもね。でも、あたしなら妖精よりはまず羽根を探すかな」
「ほ??」
マチャミさんが言いたいのはこうだ。
まず妖精のイラストを描くのに必要なのはモデルの女の子、妖精の服、妖精の羽根の資料。
↓そしてその画像をPhotoshopなどのソフトで変形させ、画像同士を組み合わせてぼんやりとした理想図を作る。

↓女の子や蝶のイラストを理想の形に変形させる。
ちなみに変形は大事である。他人の作ったイラストや画像も変形させれば著作権に引っかかりづらくなる(暗黒微笑)

スリムにしたいので女の子のイラストを縦に伸ばしました。
↓画像の透明度を下げて

↓上からペンでなぞる。

↓その線画を元に清書していく。

男にしてみました。雑でごめんなさい。
でも、これならあなたでもできる気がしませんか?
だってなぞればいいんだから
もちろんある程度の画力は必要
でも絵の勉強は怠ってはいけない。トレスをするのはプロでもやる手法だが、その上でオリジナリティを加えていくのは素人ではやはり難しい。
人体の骨格とかパースとかそういう勉強はしっかりしましょう。
でも、最低限のことはこの手法でできます。イラストではなくデザインならなおさら、このテクニックでこなすことができちゃいます。
もしあなたが「なんとなく絵が好きだけど仕事にはできないだろうなあ、デザインセンスなんて無いし」って思っているなら諦めないで欲しい!
とりあえず入り口に立つだけならそこまで難しい技術は必要無いので、是非挑戦してみてください!
この手法をやるのに必要なものは?
パソコンで絵を描くのに必要なものがもちろんあります。
それは「デザインソフト」。
例えば本格的に仕事としてグラフィックの作成をしていきたい人はAdobeという会社のソフトを購入しましょう。
「Illustrator」「Photoshop」というのが代表的なソフトで、どちらも確実に使いまくります。
本当にどうしても1つしか買いたくない場合はPhotoshopが良いと思います。
Photoshopは名前のせいで写真加工ソフトかと思うかもしれませんが、実はお絵描きソフトでもあります。
ですから、デジタルで絵を描くなら間違いなくPhotoshopです。
でもできればIllustratorも導入して欲しいところです!私はデザイナーですので、イラストというよりは歪みない線を引くことが求められます。ですから、ペンタブではなくマウスで絵を描いてしまいます。マウスなら手ブレが無いです!
どちらも1週間無料体験版があるので、それを使って手応えがあるか確認してください。
ただ、イラレもフォトショも毎月料金を支払わなければなりません。
もちろん、今まで10万円近くしたイラレ・フォトショが月額1000円程度で使えてしまうのは良いことです。でも、それでもちょっと「嫌だな〜」と感じることありますよね。
そういう場合は、「フォトショップエレメント」を使うのが良いです。
2万円ほどはかかりますが、それ以降支払いは必要ありません。ただやはりフォトショよりは機能が制限されてしまうので、それなら月980円でフォトショを買ったほうが良いのかな?とも思います。
また、「ガチでやる!」というよりは「空いてる時間にイラストを趣味で描きたいな〜」という方であれば、CLIP STUDIO PAINTがオススメ!
変に無料ソフトとか安いソフトを買うならいっそクリスタを買いましょう。たった5000円です。
デザインというよりイラストのプロになるなら、フォトショよりはクリスタの方がいいかもしれません。
ちなみにマチャミさんもクリスタで絵を描いていたそうです。現在は違うソフトを使っていますが、マチャミさんの場合は芸術作品を作るのが仕事なので、クリスタじゃなくても良いというだけです。
マジでイラストに特化して好きな絵を描きたいのであれば間違いなくクリスタでしょう。
マチャミさんの作業環境は?
「そういえば、マチャミさんもやっぱりAdobeやクリスタですか?」
「いやーそれがね、イラレは使ってないし、クリスタも使わなくなっちゃった!」
「じゃあフォトショですか?」
「うーんフォトショは画像を変形させる時だけかなあ。基本は出番少ないね。」
???
じゃあどうやってイラスト描いてんだ???
今回は長くなってしまったので続きは次回!乞うご期待!
追記 2018/10/30
マチャミさんは現在iPad版のCLIP STUDIO PAINTで仕事しているそうです。
やっぱり優秀なソフトですね・・・。